京都は最近良いお天気が続いていますね。
さて、今回は腰痛には一般的にあまり知られていない意外な原因があるというお話です。

腰痛は厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査によると「普段感じている自覚症状」として男性は第1位、女性は肩こりに次いで第2位となっています。

およそ日本人の10人に1人が腰痛に悩まされています。

皆さんは、腰痛に様々な原因があるのをご存知でしょうか?

ざっとあげるとこんな感じです。

・骨格の異常(足の長さの違いなど先天的なもの)
・姿勢によるストレス
・反復動作
・運動不足
・代謝異常
・ビタミン、ミネラル不足
・心理的要因
・慢性的な睡眠不足
・内臓疾患による関連痛など

ほとんどの方は「姿勢によるストレス」や、「反復動作」、「運動不足」などが原因というのはご存知でしょう。

歪んだ姿勢が続くことや、筋疲労によって筋肉が緊張し、痛みを誘発原因となります。姿勢を保つことも筋肉を持続的に収縮させているので筋緊張の原因となり、同様に腰痛を誘発します。(デスクワークなど)

睡眠不足や心理的要因に関しては、自律神経のバランスの乱れにつながり筋疲労が抜けないために慢性腰痛につながります。

代謝異常に関しては、ニコチンやカフェイン、アルコールなどの大量摂取、甲状腺疾患などがあります。
お酒の飲み過ぎやタバコの吸いすぎは腰痛にも関連しますよということなのでほどほどに。

そして、以外と知られていないのが「ビタミンやミネラル不足」による腰痛です。
要は、栄養不足ですね。
ビタミンやミネラルは痛みの緩和に関連するためこれらが不足すると慢性的な腰痛をもたらします。
中でも重要な栄養素は、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、カルシウム、マグネシウム、鉄分、カリウムなどがあり、それぞれに役割があるためバランスよく摂取しなければいけません。カルシウムやマグネシウム、カリウム、鉄などのミネラルは筋肉を正常に機能させるために欠かせない重要な栄養素です。
例えば、カルシウムイオンは筋収縮に必要なためアスリートに不足しがちな栄養素です。マグネシウムはカルシウムが筋細胞にはいる量を適切に調節してくれるためこれらのバランスが良くないといくらカルシウムだけたくさん摂取しても意味がありません。
(余談ですが、運動後30分以内に牛乳を飲むと筋肉痛が大幅に軽減されます。これは怪我の予防にもつながるので是非覚えておいてください。また、肩を回すとゴリゴリ鳴る人はビタミンCをしっかりと摂るようにしてください。)

よってこれらの栄養素の摂取不足が慢性腰痛を引き起こす原因になります。

参考までに、簡単な働きと食べ物をのせておきます。

ビタミン

名称 主な働き 主な供給源
ビタミンB1 糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。また糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係しています。 胚芽(米、小麦)、豚肉、レバー、豆類
ビタミンB6 たんぱく質からエネルギーを産生したり、筋肉や血液などがつくられたりする時に働いています。 かつお、まぐろ、鮭、秋刀魚、牛、いわし、鶏肉、バナナ
ビタミンB12 葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。 レバー、さんま、あさり、にしんなど魚介類全般
ビタミンC 体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠です。これより皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。また、病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くしたりします。さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患を予防することが期待できます。 いちご、みかん、柿、キウイ、菜の花、さつまいも
ビタミンD ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きと、それによって血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きがあります。また、欠乏すると筋肉の低下と引き起こします。 魚介類(特に塩鮭、しらす干し)、卵類、きのこ類
葉酸 たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。妊娠初期の女性が十分な葉酸を摂取すると、胎児において神経管閉鎖障害という神経管の発育不全になるリスクを減らすことがわかっています。 レバーの、枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーといった緑黄色野菜、いちご

ミネラル

名称 主な働き 主な供給源
カルシウム 強い骨や歯を維持し、神経の働きや筋収縮などからだの様々な機能を調節する。 乳製品、小魚、緑黄色野菜
赤血球の成分として全身に酸素を運ぶ。 レバー、しじみ、あさり、ひじき、緑黄色野菜、大豆製品
マグネシウム 循環器と骨の健康を支える。 海藻類、大豆、穀類、野菜類
カリウム 細胞機能を支え生命活動を維持する。 ほうれん草、春菊、バナナ、納豆

 

慢性腰痛をはじめ多くの慢性痛に共通することなので、栄養管理には十分気をつけてくださいね。
急に腰痛がでてきたにも関わらず、特に変わったことがないときでも最近食事で栄養の偏りがなかったかどうか思い出してみてください。以外なところに腰痛の原因は潜んでいますのでご注意を。