タイトルの通り正座は解剖学的に考えても身体に良くありません。

日常生活で、両膝を最大に曲げて折りたたむのは正座する以外にありえません。

多くの日本人は経験していると思いますが、長時間正座をしていると足がしびれてきますよね?

これは身体が発する明らかな異常信号です。

海外の人たちに正座をさせるとなるとただの拷問ですよね。笑

ではなぜ私たち日本人には正座をする習慣があるのでしょうか?

さかのぼると、江戸時代には正座をする習慣なんてなかったようです。

数々の文献で伝えられているのですが、正座が日本に根付いたのはたったの100年ほど前で明治政府のときなんです。昔の人は正座なんてしてなかったんですね。

今では行儀が悪いといわれる胡座(あぐら)は江戸時代では大名たちの座り方として認められてたそうで、お茶の千利休もあぐらだったようです。(昔の肖像画を写真ググってもらえれば正座なんてしていないのがわかります。)

そんなわけで、明治政府が日本人らしさを演出するために教育の一環として正座を定着させたようです。一応ほかにも理由があって畳の普及がどうも関係するみたいです。畳はもともと贅沢品で庶民は板張りで生活していたのが、だんだんと畳が利用せれるようになっていって正座がしやすくなったというのも要因のひとつのようですね。確かに板張りで正座はキツイです。また、「江戸患い」として有名な脚気の理由が解明されたことも関係あるようです。脚気はビタミンB1(チアミン)の欠乏で心不全と抹消神経障害を引き起こす疾患です。足がしびれる症状があるので原因がわからなければ正座が関係しているのかと思ってしまうということですかね。

なんにしても正座は歴史的にみても比較的最近根付いた文化であって、決して昔からあったわけではないようです。

古くからある仏像も正座なんてしてませんよね。

解剖学的にいっても膝は最大限膝を曲げるようにできていません。せいぜい145度くらいです。

だから健康でありたいなら正座は極力控えるべきです。

正座したときに膝に痛みがでるという方がいますが、その大半は太ももの骨とスネの骨がねじれてしまってます。そもそも体操とかで膝を回しているのをみますが、膝がねじれる原因にもなるのであれも解剖学的にいってありえません。体育の先生なんかは平気でやっていましたが(笑)

正座はもともと正座ではなくて”かしこまる”という座り方でした。つまり目上の人の前などで用いるもので、もちろんそれが楽な姿勢であってはならないという日本人らしい考え方です。

我慢の文化は身体にとって本当によくないです。

無意識に根付いてしまっている習慣は気をつけなければどんどん身体に負担を与え怪我をする原因となります。

自然界の法則を無視した文化は身体には”害”ということだけ知っていただければなと思います。

ちなみに僕は幼少の頃から華道をしていますが、基本的に椅子か胡座でやっています(笑)