ストレッチとは?

一般的にストレッチは身体の柔軟性を高めることによって、筋肉や関節の障害を予防することや疲労回復を目的としておこなわれています。多くの方が体育の授業や部活などでおこなった経験があると思いますが、ストレッチの正しいやり方をご存知でしょうか?今回はそんなストレッチの基本的な理論ついてご紹介していきます。

筋肉の性質について

多くの人が誤解していることなのですが、筋肉には自ら伸びる機能はありません。伸ばされる力が加わることによってはじめて筋肉は伸びます。これはとても重要なことですので確実に覚えておいてください。さらに、筋肉には以下のような特徴があります。これらも話を進めていく上でかなり重要になりますのでおさえておいてくださいね。

①一定上の力を加えると、時間の経過とともに変形する。
②力を加え変形させると、その変形を維持するのに必要な力が減少していく
③力を加えて変形させたあと、力を除くと元の形態に戻るが、力を一定時間以上加え続けると、力を除いても完全には元の状態に戻らない。

それでは次に筋を伸ばす上で攻略しなければならない壁ともいえる重要な組織をみていきます。

筋膜、腱について

筋肉を包む膜や腱(筋肉と骨の付着部でアキレス腱が有名)は膠原線維(コラーゲンから成り、身長性に乏しく引っ張りに強いため、細胞の形状を維持し形態を支持するために重要な役割を持つ)を含む結合組織で、筋肉の伸張にとって最大の抵抗となっています。膠原線維は粘弾性があり、力が加わると変形し、力を除くと元の状態に戻る性質をもっています。急激な力が加わると組織が破壊され肉離れなどの障害になります。ですので、この組織が破壊されない程度の力を一定時間加えることで、筋を延長させるのが静的ストレッチとなります。まとめると、筋肉は一定時間筋膜が壊れない適度な力で刺激を与え続けていると伸張しますよということです。ではストレッチの具体的な方法についてみていきましょう。

ストレッチのやり方について

今回は代表的な静的ストレッチであるスタティックスストレッチングの正しいやり方をご紹介します。多くの人がイメージする反動などを用いずに一定時間力を加えることによって筋を伸張していくストレッチです。それではストレッチをおこなう上での重要なポイントをあげていきます。

ストレッチをしている間は呼吸をし続ける
ストレッチをおこなう際、呼吸を止めてしまうと十分にリラックスすることができず、効果を十分に発揮できません。また血圧上昇などにもつながるため注意をしましょう。数を数えながらおこなうと効果的です。

負荷をかけすぎず、ゆっくりとおこなう
よく強い痛みを伴いながらストレッチをおこなう人がいますが、基本的には強い痛みを感じない程度の力加減でおこない、伸張時間はだいたい30秒〜60秒を目安に実施してください。上手くできるとストレッチ中に筋肉が伸びていく感覚がわかります。

力の強さは段階的に強くしていく
初めから強くストレッチをするのではなく、徐々に力をくわえるようにしていくとより高いストレッチ効果が得れます。

伸ばすのはどの筋肉かを意識しながらおこなう
これはとても重要で、伸ばしたい筋肉の起始と停止をしっかり理解しおこなうことでより適切なストレッチがおこなえます。理解せずにおこなうと間違った部分のストレッチをおこなってしまう可能性があるため筋を触るなどして確認することが重要です。

温まった後に行うと効果が高まる
筋肉の習性上、軽い運動などで筋肉が温まったあとにストレッチをおこなうと、よりストレッチ効果が高くなります。

以上がストレッチをおこなう上での重要なポイントになります。これだけを意識するだけで飛躍的にストレッチの質が向上しますので是非今後もとりいれていただければと思います。

※部位別のストレッチ方法を覚えていただけるセルフケア動画を今後あげていく予定ですのでそちらも参考にしてみてください。作成次第、新着情報にアップしていきます。